· 

弾けるから弾く?

 

あっという間に4月になり

この大嵐の中 小学校の入学式が行われたようです。

せっかく桜が綺麗に咲いていたのに

お天気には恵まれなかったのは残念でした。

それでも ピッカピカの1年生が

色とりどりのランドセルを背に歩く姿は

心がほっこりします。

どうか素敵な小学校生活を送ることができますように!

 

さてさて

弾けるから弾く???ですね。

ピアノの才能に恵まれて 小学生でも

ベートーヴェンのソナタが弾けるくらい

よく指が動いたとしても 私は選曲しません。

 

いろいろなお考えがあると思います。

でも 私個人は年齢に見合った曲を学ぶ

ということが大事だと思っているのです。

なので ショパンを弾くのは小学校6年生です。

もっと下の学年でも ショパンの音ヅラを弾くことは

出来るでしょう。

でも 指が動くから弾く ということはしたくありません。

と同時に 初心者だからと言って小学生に

メリーさんのひつじを弾かせることもしません。

 

その昔 ベートーヴェンのソナタを教えていただいていた

当時王立音楽大学の副学長でいらしたケンダル・テイラー先生は

BBCの若者のための音楽コンクールのために

11歳の少女が ベートーヴェンの後期のソナタを

持ってきてレッスンされたそうですが

なんであの曲を選んだのか理解できないとおっしゃっていました。

(先生は仕上げのレッスンを頼まれたという感じです)

11歳ならハイドンやモーツァルトのソナタ

ベートーヴェンならロンドや変奏曲

たくさん素晴らしい曲がありますからね。

 

私は6年生には何がなんでもショパンを弾いてもらうことにしています。

実力的にはまだまだ足りないと思える生徒も

曲を与えて練習をはじめると

あら不思議! しっかり弾けるようになるのです。

ピアノを習っているのなら 

一度は弾きたいピアノの詩人ショパンですから!

 

ベートーヴェンのソナタも悲愴やテンペストなど

中期くらいまでの作品は中学生なら弾けますね。

 

指が動くからと難曲ばかりに挑んでいると

身体の使い方を間違え 指に負担をかけてしまい

まっすぐに成長できないという大きなリスクもあります。

 

年齢や体格に見合った曲を的確に選ぶ

ということも 指導していく上で

大変重要なことだと思っています。